国際災害看護

ペリハンさんが1年間のポストドク研究期間を終了し、帰国されました。

ペリハンさんが1年間のポストドク研究期間を終了し、帰国されました。彼女の今後の健闘を祈りたいと思います。

トルコから研究員が来られています。

2023年2月6日早朝、トルコ南東部とシリア北部の広い範囲で、強い地震が発生しました。トルコとシリアでは多くの方々が命を失い、現在なお厳しい状況が続いています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災者の方々にお見舞い申し上げます。

現在、広島大学大学院 医系科学研究科(国際災害看護)にトルコから研究員、ペリハンさんが日本の災害看護を学びに来られています。トルコでの防災、災害看護、日本の印象などお話して頂きました。

Q. ペリハンさん、まず簡単な自己紹介をお願いします。

ペリハン・シムシェクと申します。2019年にトルコのカラデニス工科大学看護学博士課程を卒業しました。私はちょうど3年間の救急看護の経験があります。トルコのトラブゾン大学の救急・災害管理学部で3年間働いており、特に災害時の看護に対する世界的なニーズの高まりから、災害看護に焦点を当てています。現在、広島大学でポスドク研究員として、トルコ最大の科学研究評議会(TUBITAK)の支援を受けて、国際プロジェクトに取り組んでいます。

Q: 災害看護を学ぶためにここ広島を選ばれた理由は何ですか。

日本の災害管理システムは非常に強力で、災害看護の分野もよく整備されていることは、トルコではよく知られています。そのため、私はこれらの分野で自分を高めるために、日本で勉強したいと思いました。そして、加古先生の論文を読み、とても感銘を受けました。私は、加古先生の災害看護分野の勉強をし、一緒に研究をしたいと思いました。加古先生にお会いしたところ、広島大学にポスドク研究員として受け入れていただくことになりました。このような機会を与えて頂き、心から感謝しています。

Q: 昨年7月からから来られて8か月ほど経ちますが、日本に来られて防災や災害看護についてどのようなことを研究されたり学んだりされていますか。

私は主に、公衆衛生システムの災害回復力の向上に取り組んできました。加古先生の指導のもと、災害弱者の回復力を高めるためのプライマリ・ケア提供者の役割について取り組みました。来日後数カ月は、eSTARTコースに参加する機会を得ました。このコースでは、災害リスク軽減に関する必須情報を学び、災害看護師の役割と責任について非常に重要な情報を得ることができました。また、災害時のコミュニティの役割や、ボランティアが提供できるサービスについて調べ、学ぶ機会もありました。

Q: トルコの医療システムと日本の医療システムの大きな違いは何でしょうか。

日本では、高齢者のための医療サービスがトルコよりも発達しています。トルコは、高齢者は家族で介護するのが一般的で、日本のような専門的な介護施設は医療制度に存在しません。

また、日本の保険制度では、個人が年齢や職業に応じた保険料を毎月支払う必要があります。トルコは一般的な健康保険制度があります。経済状態に関係なく、すべての国民は病気になったときに同じ医療を受けることができます。

Q: トルコでの災害看護教育はどれくらい進んでいるのでしょうか。

残念ながら、トルコではまだ災害看護は十分に発展していません。災害看護は看護のカリキュラムの中のコースではないので、災害看護で修士号や博士号を取得する機会は今のところありません。

Q: トルコに帰られて、日本の防災のこれを生かしたいという具体的なことはありますか。

トルコでは、防災のためにコミュニティの備えと災害ボランティアサービスの開発が特に必要とされています。帰国後は、これらの課題を改善するためのプロジェクトを実施したいと考えています

Q: 日本もまだまだ防災に関しては試行錯誤しながら発展していますが、日本にはないトルコだけの利点(防災に関する)があれば教えていただけますか。

正直なところ、私が日本で見たシステムは本当に素晴らしいものでした。システムを比較したときに、日本になくてトルコにあるアドバンテージはないのではないかと思います。ただ、高齢者層は災害に対して脆弱な層です。トルコは若くダイナミックな人口構成であることから、災害弱者が少なく、災害リスク軽減のための作品に参加しようとするダイナミックな労働力があると解釈でき、この点では有利と言えるかもしれません。また、トルコは津波の面で日本ほどリスクの高い地域に位置していないことも、私たちにとって有利な点として捉えることができます。

Q: 研究以外のことになりますが、日本の印象はいかがでしょうか。

国民として、私たちは日本と日本人をとても愛しています。私は、日本のアニメを見て育った子供です。日本の印象として、日本人はとても尊敬でき、親切で、もてなしができ、とても規律正しい人々であると言えます。皆さんに感謝します。

Q: 日本人(日本の学生)の印象はいかがですか。

学生や日本人と一緒にいる時間はあまりないんですが、何度か学部生の授業をさせていただいた印象ですが、皆さんとても静かですね。それに、とてもまじめだと思います。授業中も一生けん命私の話を聞く姿勢を見せてくれました。反面、とても静かなので質問はないのかな、理解してもらえたのかなと不安にあることもあるので、気軽に質問してくれると嬉しいですね。

日本で学ばれたことを自国で生かし、ご活躍ください。
ありがとうございました。

 

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